前回に引き続き、大分・長湯温泉の旅行記になります。
ラムネ温泉館でシュワシュワになった後も、引き続き徒歩での外湯巡りへ。
夕暮れ時の心地よい風を浴びながら、川沿いの道を進んでいく。
道なりに進んでいくと、ほどなくして見えてくる単調な白いコンクリートの建物。
こちらが外湯めぐり2件目の共同浴場、しづ香温泉である。
まず、外観からあふれ出るこの鄙び感!w
直前に訪れたラムネ温泉館と違い、こちらはまさに地域の銭湯といった感じの雰囲気である。
くすんだ看板のフォントも味があっていい感じ。
こちらが温泉のホームページ。
この手の施設にしては珍しく、営業情報や温泉の効能等の情報が意外にもしっかりと(失礼)掲載されている。
男女別になった引き戸の入口から中へ入り、まずは入湯料の支払い。
こちらは常時無人なので、自分で料金を投入口に入れるシステム。
それにしても入湯料200円とは、有り難いがなんだか恐縮してしまう安さだなぁ...
受付のすぐ隣にある脱衣所。他に利用客はおらず、独泉を楽しめそうだ。
ゆっくりと扉を開けると、そこには想像を遥かに超えた鄙び具合の浴室が...!!
長年にわたる温泉成分の蓄積のためか、壁や天井は緑や橙に変色をしてしまっている。
特に浴槽周辺ではそれらが堆積して千枚田のようになっていて、物凄い様相を呈していた。
仄暗い、廃墟のような浴室に広がる鍾乳石のごとき析出物たちの楽園。
あまりにも刺さる景色だったので、人が来ない内にと慌てて写真を撮りまくったのだった。
なおこちらの泉質はマグネシウム・ナトリウムー炭酸水素塩泉。
カルシウムやマグネシウムを多く含有する炭酸水素塩泉には析出物が堆積しやすいと聞くが、ここまでのものを見たのは初めてである。
浴室の脇にある飲泉所。こちらもこんもりと成分が付着して凄い色になっている。
また暫く先客から間が空いた為か?お湯の表面には成分が結晶化して浮かんでいた。
翡翠色に美しく染まった浴槽の縁部分。もはや芸術的でさえある。
ただこの見た目に反して、実際に入ってみると案外柔らかく入りやすい浴感のお湯だったのも印象的だった。
色は長湯温泉らしい緑褐色の濁り湯で、匂いもやはり独特の金気臭。
泉温は比較的ぬるめなので、この蠱惑的な空間を愛でつつ、ゆっくりと長湯を楽しむことができるのも魅力である。
もちろん人を選ぶことは間違いないが、ここまで鄙びた浴場でお湯を頂けるというのは、もうそれだけで唯一無二ではないだろうか。
ここにはシャンプーもシャワーも無いけれど、きっと旅のいい思い出になると思う。
この後はバスに乗って、ひと足伸ばして本日最後の外湯巡りをした。
次回の記事でその模様を書いていく予定である。
それでは。