前回に続いて、大分・長湯温泉での湯巡りの記録です。
宿の一番風呂を頂いてから、最後にもう一か所行きたい場所もあったので、散歩もかねて表通りへ足を運んでみた。
外に広がるのは、絵に描いたような美しい田舎の原風景。旅もいよいよ終盤である。
川を越えて向かったのは、大通りを折れてものの数分歩いたところにある千寿温泉。
道路沿いのカラフルな看板が目印だ。
入ってすぐの所にある受付。地元の人が普段使いしていそうな、素朴な雰囲気が漂う。
支払いは長湯でおなじみの、料金箱にお金を投入するシステム。
入湯料はなんと驚きの大人100円(こども50円)。これは全体的に料金が廉価な長湯界隈でも随一の安さである。
浴室入口には、入浴時のマナーについての貼り紙がチラホラと。
確かに浴槽内でおもむろに体操を始められたらちょっと落ち着かない(笑)
なお浴室にシャワー・カランは無く、浴槽が一つのみという昔ながらの公衆浴場の造り。
それにしても、見れば見る程ホントに素晴らしい年季の入り方だなあ。
令和の現代においてもこのような場所がまだ残っているという幸運に感謝したい。
細かい湯の華が舞う柔らかなお湯は、やや温めで何時までも入っていられそうな気持よさ。
毎日こんなお風呂に浸かれたらどれだけ幸せなことか。
浴槽の手前側にある切り欠きからは、掛け流しのお湯が周縁部にしとしとと流れ出ている。
析出物でびっしりとコーティングされた周囲の床もこれまた魅力的。
泉質はナトリウム・マグネシウム・カルシウムー炭酸水素塩泉。
長湯エリアでは緑がかった褐色のお湯が多かったが、こちらは鉄分の含有量が多いためか、茶~黄色がかったにごり湯となっている。
また湯口近くの場所では、炭酸成分による泡立ちの様子も少しだけ確認できた。
泉温などの関係から、七里田温泉やラムネ温泉館のような体へのびっしりとした泡付きは見られなかったが。
壁際に積み上げられた、刻の流れを感じさせる洗面器と椅子たち。
もう何から何までツボな感じで嬉しくなってしまう。
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極めて濃厚なひなび成分を存分に浴び満足できたので、温泉を出てからは特に寄り道もせず宿へ帰った。
ここからは豊後竹田に戻り、JRで再び阿蘇方面へと向かっていく。
宿から駅まではバスで戻る予定だったのだが、手が空いているからということで、宿の方に豊後竹田まで送って頂けることになった。最後までお世話になりっぱなしである。
食事も美味しいとの評判なので、次に長湯に来る時は2食付きプランにしてかずよさんに再び泊まりたいと思う。
次回の記事にてこの後行った白川水源・高森での観光の模様を書き、この大分・熊本旅行記を終えるつもりである。
それでは。