玄の散歩帖

温泉、レトロ、写真など好きなものごった煮ブログ

秋の温泉・廃墟旅 in 東北 (2021)ー化女沼レジャーランド見学ツアー②

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化女沼パークホテル内部見学

前回に続いて、化女沼レジャーランド見学ツアー参加時のレポになります。

ranporetro.hatenablog.com

 

 

いよいよ化女沼パークホテルの内部へと進んでいく。

 

ホテル内は自由見学となっており、経年劣化と残置物に彩られた楽園を、参加者は思い思いに堪能することができるようになっている。

 

ただしホテル内部は、後から戻ってきて見学することができない点にだけ注意。

決められた見学時間内でしっかりと見ておくこと。

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かつて不法侵入者が多かった為、正面玄関は現在完全に封鎖されている 

 

パークホテル内部は大まかに宿泊棟とレストラン棟から構成されているのだが、

それらが内部で繋がっており階段での上下移動を伴うためか、外観からよりも

実際には複雑な構造になっている印象を受ける。

 

 

とりあえず、奥側に位置するレストラン棟から散策を始めることにする。

 

宿泊棟とレストラン棟を結ぶ渡り廊下の景色。所々損傷はあるものの比較的ダメージは少ない。

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昔ながらの貨物用エレベーター。

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廊下に落ちていた残置物の傘が、これまたいい味を出している。

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いつからここに残されているのだろう 

廊下をどんどん進んでいって急に明るくなったと思ったら、行きついた先の天井がものの見事に崩落していた。

垂れ下がったビニールや配線が何とも言えない陰影を描き出していて、

そばに佇む Bar Marchen(バー メルヘン)の物寂しさに拍車をかけている。

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 見方によってはある種のオブジェのようだ

バーメルヘン内部。

薄暗い室内で日の光がカウンターに差し込む様は中々に幻想的だった。

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カウンター上にあったメニュー表。若干リゾート価格という感じか。

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そのすぐ近くにあった和室。こちらも天井板の崩落が激しい。

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浴衣やタオルなど、宿泊施設ならではの残置物が多く残されていることが分かる。

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またふと目をやると、化女沼レジャーランドの前身である化女沼保養ランド時代のパンフレットが置かれていた。経年の割に保存状態が良いことに驚く。

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フォントからも時代を感じるガイドマップ

こちらは当時の従業員が使用していたと思われる部屋のカギ。

随所にこういうアイテムが何の気なしに置いてあるものだから、気になってなかなか先に進めないw

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同じくレストラン棟2Fにある大宴会場。

がらんどうとしているが、昔はここも社員旅行の一団などで賑わっていたのだろう。

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出し物用のステージも備え付けられている。ビビッドな青の壁紙が目を引いた。

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 この箇所は天井・床ともに崩落がかなり激しかった。ちょっと危ないかも。

 

こちらは宴会用の配膳などを行っていたと思われる部屋。お盆や酒の器などが多く残っていたほか、宴会場の設営手順のマニュアルなども壁に貼ってあった。

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また個人的に一番感動したのがこの99'年10月で時が止まったままのカレンダー。

2001年の閉園を間近に控え、なんとなくある種の終末感が漂っていた時期だったのではないかと想像してしまう。当時の従業員は何を思い働いていたのだろう。

 

ちなみにカレンダーの提供元となっている「ほっかほっか亭 古川荒谷店」は、調べたところ既に店舗自体が無くなっているようだ。

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ひととおり2Fの散策を終えたので、階段を使ってレストラン棟1Fへと降りる。

完全にホラーゲームのダンジョンに出てくるやつである。

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レストラン棟の1Fには外から光が入らず、本当に真っ暗な状態なので、散策時は懐中電灯等を携帯して注意しながら歩いた方がいい。

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フロントのカウンター。珍しい色の公衆電話が置いてある。 

 

奥の方に打ち捨てられていたタバコの自販機。現在の半分くらいの値段かな?

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フロント脇の小部屋。封筒や事務用品が床に散乱している。

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みそラーメンの暖簾がいい感じ 

こちらの部屋のカレンダーも1999年で時を止めていた。

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当時行われていたいも煮会なるイベントのパンフレットが落ちていた。

山形名物だし、季節感も感じられるので意外と悪くないかもしれない。

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その後集合時間も迫ってきていたので、足早に宿泊棟へと移動した。

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宿泊棟にある2つの小宴会場「皐月」「楓」の入口。

なお右側の宴会場「皐月」の入口付近の床は老朽化が激しく、底抜けしそうな状態だったので見学の際は注意。

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宴会場「皐月」

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部屋の隅にあったナショナル製のブラウン管テレビ。

今となっては逆にオシャレなインテリアという感じがする。

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左手にある宴会場「楓」

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壁からつり下がっているランタン達が不思議な雰囲気を醸し出している。好き。

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宿泊棟の1Fには大浴場もある。

以前は浴室にも入ることができたようだが、残念ながら現在は封鎖されている。

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男子大浴場の脱衣所。あまり広くはない。

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奥の方は天井のめくれ方が激しい

当時の利用者への注意書きの張り紙。

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女子大浴場の入口。内部の構造や広さは、ほとんど男性用と同じだった。

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階段にて2Fの客室エリアへ。

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部屋数は意外と少ない 

客室エリアは全体的に保存状態がとても良かったように思う。

こちらの部屋など、多少手直しすれば今でも使えそうなくらい綺麗。

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和室の障子はさすがに損傷が目立つ。

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不思議だったのがこちらの浴室。

壁のタイルや湯舟などが、経過年数に比して異様に真新しいのである。

閉園直前にリノベしたものだとしても、20年近く放置されてここまで綺麗な状態を保てるものなのだろうか?

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後ろ髪を引かれつつも、屋上からの景色が気になるので階段を上る。

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解放されている屋上からは、ホテル周辺の鬱蒼とした雰囲気とは対照的な、

化女沼方面のすがすがしい眺望を望むことができた。

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宿泊棟を見終わった頃にはツアーの集合時間となり、参加者は指定された場所に再び集められた。

 

 

こちらでの見学時間は比較的長めに設定されていたものの、ホテル内がやや複雑な構造をしており見所も多いことから、終わってみると時間的な余裕はあまり無かったように感じた。

 

もしどうしても行きたいエリア等があるなら、こまめに時計を確認しつつ、

最初にそこから廻るというのもアリかもしれない。

 

 

***

 

 

参加者一行を乗せたバスは一旦遊園地を離れ、昼食休憩のため化女沼西岸にある古代の里へ向けて出発した。

 

こちらは敷地内に遊具やバーベキュー施設等を有する広い公園になっており、

その内部にある東屋にて参加者は配布されたお弁当を頂くことになる。

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正直なところあまり期待はしていなかったのだが、普通に駅で売っているようなクオリティの駅弁で、しかも味も美味しかったのはうれしい驚きだった。

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はらこめしや味噌仕立ての牛タン焼きも入っていた

 

昼食休憩後はバスにて再びレジャーランド跡地まで戻り、午後からはいよいよ

廃観覧車などが佇む遊園地エリアでの見学となる。

 

これも写真が多くなるので、次回分でその様子をまとめていきたいと思います。