前回に引き続き、化女沼レジャーランド見学ツアー参加時のレポになります。
昼食休憩が終わり、参加者を乗せたバスは再び遊園地エリアへと戻った。
午後から夕方までは基本的に自由行動となっているため、参加者は遊園地内の思い思いの場所を散策して楽しむことができるようになっている。
今回は天気も良さそうだったので、自分は最初に遊園地エリアを巡り、その後にゴルフ場&ゲートボール場跡エリア(遊園地エリアから少し離れている)を見学してから、再び遊園地エリアに戻ってきて夕暮れ時の撮影を狙う行程を組んでみた。
この辺りの時間配分は個人の嗜好によって大きく異なるだろうから、事前にリサーチをして大雑把な行動計画をぼんやりと考えておいた方が良いかもしれない。なにしろ敷地が広く、現地でそれぞれの見所についての詳細な案内が用意されている訳でもないので。
前置きが長くなってしまったが、まずはこちらから。
この特撮映画に出てくる宇宙船のような物体は、かつてそうめん流しに使われていた機械なのだとか。以前はここに数十台のそうめん流し機が立ち並ぶ不思議な光景が広がっていたそうだが、現在は崩壊が進み危険な為、ごく限られたエリアにしか立ち入ることができなくなっている。ガイドの方曰く水辺に面していることから、他のエリアよりも老朽化のスピードが速いとの事だった。
その後草に囲まれた小道を抜けて進んでいくと、なにやら植物の群生の只中に、周囲の景色と似つかわしくない不思議な人工物が埋もれているのが見えてきた。
かつて子供たちを乗せて廻り続けていたメリーゴーランドは、今ではススキの大海原に取り囲まれ、なんとなく物寂しい雰囲気を漂わせている。
驚いたことに、こちらの遊具は後藤社長がヨーロッパに出向いて買い付けをして持ってきた逸品なのだとか。
馬だけでなく像やアヒルなど謎な動物が所々に紛れており、それらがなんともいえない表情を浮かべているのが面白かった(笑)
溢れ出るB級感w
打って変わって、優しい眼をしたユニコーン。
哀愁さえ感じられるような表情の馬も...
正面を見据える、精悍な面持ちの白馬。
全体的に塗装が綺麗に残っていて、良い保存状態だったと思う。
メリーゴーランドの脇に1台だけ置いてある、ゴーカートの車体。
もともとは園内の雑木林の中に埋まっていたものらしい。
こちらはかつての空中ブランコの名残。
支柱しか残っていない為、一瞥しただけでは何の遊具かわからない状態である。
まあこれはこれで近未来感があって好きなんですが。
そしていよいよメリーゴーランドと並ぶ遊園地の主役、観覧車エリアへ。
鉄錆とくすんだゴンドラの色が、背後の青空と奇妙な対照を呈していて、
まるでこの世のものではないような景観を作り出している。
さらに近くから見上げるような構図で。圧倒的な存在感だ。
ゴンドラへはこちらの階段を使って行くことができるようになっているが、反対側の部分は底抜けしかけていて結構危ない状態だった。
かつて子供たちの思い出をのせたゴンドラたち。
内部は窓もほとんど割れていて、骨組みだけに近い状態となっている。
こちらはピンクのゴンドラ。
今はくすんでしまって、肌色に近くなってしまっている。
観覧車を真下から仰ぎ見る。青空と鉄錆のコントラストがたまらん。
こちらは当時園内を走っていた子供用のSL。
自分はこの手の乗り物が大好きでよく乗っていたので、なんだか懐かしい気持ちになった。
この後もまだまだ残って撮影したい気持ちはあったが、時間的な制約もある為
とりあえず観覧車エリアを離れて、次の見所であるゴルフ練習場跡へと移動した。
***
遊園地エリアから園内を外周沿いに回っていき、反対側の端沿いにある道を進んでいくと現れるのが、こちらのゴルフ練習場跡である。
ゲートをくぐり受付の入っている建物へと進む。
ゴルフ場自体は2階建の打ちっぱなし方式で、建物内の受付で申し込みをした後、階段を使って練習場に降りていくような形になっている。
なお建物内部は奥に向かって右側が売店・ゲームコーナーで、左手が受付カウンターおよび練習場への入口となっていた。
入って右手の売店エリア。
お土産用の紙袋など、関連する残置物が多く残っていた。
ゲームコーナーと思われる一角。
奥に見える「スマイルダッコちゃん」のワゴンには、ゲームの景品としてダッコちゃん人形が飾られていたのだろうか。
「化女沼観光ホテル」のロゴが入った紙袋。これは午前中に訪れた化女沼パークホテルの別名で、当時の園内マップにはこちらの”観光ホテル”の名称が使用されていた。
静かに横たわるキャッシュレジスター。
左手にある受付カウンターへ。天井の照明デザインがお洒落。
カウンター内部の様子。床中に物が散乱しているため、手前側から眺めるような形で。
料金表や記録台帳らしきものも確認できる。
机の上に広げてあった洋服の通販カタログ。
心なしかモデルのファッションもバブル風味を感じるw
受付カウンターを通り過ぎ、隣接した階段を使って練習場へと降りていく。
練習場の前に広がる景色。人工と自然の対比が鮮やかに際立っている。
「へそロボ ハリーUP α」
金具部分が完全に腐食し、錆びついてしまった扇風機。
朽ち果てて、時が止まったままの時計。
経年によるものなのか定かでないが、長針の先が折れ曲がってしまっている。
小学校などによく置いてありそうなデザインの時計だと思った。
反対側はより老朽化が激しく、盤面自体もほとんど残っていないような有様だ。
内部から垂れ下がっている部品がなんとも物哀しい。
再び受付横の階段を上って、地上へと戻る。
木々の蔦がアーケードの天井のようにアーチに覆い被さり、ちょっとしたトンネルのようになっているのが面白い。
こちらは受付場の前に残るセスナ型の遊具。
機体はなんと富士重工業製の本物であり、実際に操縦席に乗り込んで遊ぶことができたらしい。秋に行ったので草が生い茂っており、近づいて見ることが出来なかったのが残念だ。
ゴルフ場を出てから遊園地エリアへ戻る途中に、草刈りのされた緩やかな斜面を下っていける場所があり、そこを進んでいった先に待ち構えているのがこちらの化女沼ゲートボール場跡である。
内部に入ってみると想像以上の広さ、奥行きに驚かせられる。
ちょっとした体育館位のサイズ感があり、しかも屋根付きなので雨の日でものびのびとプレイができそうだ。
なおゲートボール場の側面には地上側へ通じる階段が備え付けられているが、老朽化が進んでおり使うことができない状態だった。
正直な所、ゲートボール場は他のエリアに比べやや地味で、派手な見所が無いのは否めないかもしれない。
しかし薄暗い倉庫のような空間に斜光が差し込み、内部の残置物を妖しく彩る様子は非常に魅惑的で、自分にとってもお気に入りの場所の一つになった。
こちらのツアーにもし参加されることがあれば、ぜひ時間をゆっくり取って、この空間を心ゆくまで堪能していってほしい。
こちらを出る頃には丁度日も傾いてきており、また空も少しずつ薄暗くなりつつあった。
この後は遊園地エリアにて、夕日と絡めた遊具たちの撮影を行ったのだが、その際の様子は次回分(ツアーレポ最終回)としてまとめようと思う。