バブルの夢の跡・化女沼レジャーランド
仙台駅から北上することおよそ40km、バブル時代の記憶の残滓ともいえる、
ある遊園地の廃墟が今も沼の畔に佇んでいる。
そう、廃墟マニアの間では聖地と謳われている化女沼レジャーランド(旧名:化女沼保養ランド)跡地である。
1979年にオープンした当園は昭和期のテーマパークブームも相まって、かつては県内でも有数の人気を誇る遊園地として賑わいを見せていた。
しかしながらバブル崩壊に伴う不況のあおりを受け来園者数が激減し、2001年にはとうとう閉園の運びとなってしまったのである。
以後は、関係者の努力もあり取り壊しを免れ、遊具などを含む多くの残置物が園内に残された状態となっている。
現在でもこちらの土地は私有地となっている為、不定期で開催される見学ツアーに参加する事でのみ、2001年から時が止まっている夢の跡を訪れることが可能だ(※2021年時点)。
今回、たびのレシピさん主催の日帰り見学ツアーに参加することができたので、その際の様子などをこれから紹介していこうと思う。
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仙台駅集合~遊園地跡に到着まで
肌寒さを帯びた10月某日の早朝、集合場所の仙台駅を目指して新幹線へ乗り込んだ。
始発に近い時間だったこともあり、列車内は閑散とした状態だったので、心おきなく朝食のステーキ弁当を食べることにする(笑)
事前情報によると広大な敷地内を歩き回るツアーという事で、体力の消耗が懸念された為、シャリバテを防ぐため今回は朝から重めの弁当をチョイスした。
集合場所である仙台駅東口のロータリーに着くと、既にツアー参加者と思しき数名が待機していた。
バスはほぼ定刻通りに出発。
現在はコロナ渦の影響で、募集定員を通常の半分である25名程度に絞って催行しているそうだ。
参加者を乗せたバスは、SAでのトイレ休憩を挟みつつ、遊園地跡の残る化女沼へと歩みを進めていく。
バス車内では公認ツアーガイドである広瀬さんより、ツアー行程や現地での注意事項などの説明を改めて受けるのだが、軽快なトークのおかげで移動の時間も楽しむことができた。
話の内容は当時の思い出から今回のツアーにまつわる裏話まで多岐に渡るものであったが、映像なども交えつつ、賑わっていた往時の雰囲気やそこから凋落へ至ってしまった流れを感じる事ができたように思う。
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出発から1時間ほど経った頃、バスはいよいよ最初の見所である化女沼レジャーランド入口アーチに到着した。
こちらではバスを下車しての撮影タイムが設けられており、自分を含め参加者は皆夢中で写真を撮っていた。
アーチの塗装が年代物の割に小綺麗なのは奇妙だが、ガイドの方いわく閉園後の塗り直し等は一切行っていないとの事。なんとも不思議な話だ…
※なお、この場所には後から戻って来ることができないので注意されたし。
写真などはしっかりと撮っておくことをオススメする。
アーチでの撮影タイムを終えると、再度バスへ乗り込み、遊園地の裏口側への移動となる。
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敷地内に入ると、早速ディストピア感溢れる建造物の登場。
人類滅亡後に自然に飲み込まれつつある人工物のようなエモさがある。
子供向け施設のみならず、打ちっぱなしも完備。親世代も楽しめる!
ツアー開催前にある程度の草刈りはして頂いているそうだが、それでも所々の植物の繁殖力が強い。笑
窓が割れたままの小屋。チケット売り場のような雰囲気だ。
さらに進んでいくと、林に囲まれたイベント用の屋外ステージが現れる。
こじんまりとしているように見えるが2000人規模での観客の収容が可能で、
全盛期にはゴダイゴのコンサートも行われていたのだとか。
そしてこちらがステージの向かいにある観客席側。
現在は完全に草むらと化していてその雰囲気を窺い知ることは困難だが…
この後、バスに戻っての移動となり、いよいよこのツアーの目玉の1つである、化女沼パークホテル内部の散策が始まる。
なお、案の定興奮しすぎて写真の枚数が膨大になってしまったので、そちらは次回分としてまとめます。