玄の散歩帖

温泉、レトロ、写真など好きなものごった煮ブログ

洞窟風呂に絶品料理も楽しめる勝浦の竜宮城・ホテル浦島宿泊記            ~深緑の伊勢・熊野三山と温泉巡りの旅⑦~

 

前回に続き、伊勢・南紀旅行の記事(最終回)になります。

ranporetro.hatenablog.com

 

紀伊勝浦のレトロな街並み

那智山での観光を終えて下界へ降りたあたりには、昼下がりを過ぎて夕方が迫って来ていた。

天気も少しづつ持ち直してきていたので、気になっていた駅前のアーケードや街並みを散策しつつ宿へと向かうことに。

 

目的地となる港の方角だけ頭に入れて、気ままな街ブラへ出発。

 

駅前ロータリーを出てすぐの所。港町らしく、通りの屋根は海を思わせる水色で統一されている。

一角にあった昔ながらの町の本屋さん。黄色の建物とビニールテントが目を引く。

そのころちょうど読み進めていた、沢木耕太郎深夜特急を見つけたので購入。

本屋さんの少し先、一本路地に入ったところには駄菓子さんも。

地元で小学校のころ通っていたお店に少し雰囲気が似ており、思わず足が向いてしまった。

店内には所狭しと懐かしい駄菓子やおもちゃが陳列されている。下校時間だともっと子供たちで賑わっていたりするのだろう。ジュースと駄菓子を購入して、少しだけ休憩した。

 


その後は方向を変えて、再びアーケードの方へ。

入口ではスパンコールの看板が風にフワフワと揺られている。

依然として雲は多いがところどころに晴れ間も見えてきた。

気温はそこまで高くないはずだが、やはり陽が差すと暑い。

平日の午後ということもあり駅前でも人影はまばらだ。

シャッターが下りているお店も多かった。

郷土玩具、お土産を取り扱う小倉家さん。

最近では旅行先でお土産を買う機会も減ってしまったが、せっかくなら駅ビルなどではなく、こういった地元の店舗で買って帰りたいものである。まあ勝浦には駅ビルないけど(笑)

アーケードの中ほどにあった、スナックのような渋い雰囲気の喫茶店 七。

開け放たれた扉の奥では、地元の方々がカウンターで談笑をしている様子であった。

まさに地域の社交場といったところか。

商店や純喫茶、青果店からタバコ屋にいたるまで隙の無いラインナップである。

アーケードを抜けてから、そのまま港の方へ歩いてみる。

海が近づくにつれ、風に乗って運ばれてくる潮の香り。

港町にやって来たのだなあ、とあらためて実感した。

午後の港にはどこかのんびりとした雰囲気が漂う。

個人的には観光地を回っている時よりも、こういう何気ない場所を歩いている一瞬に最も旅情を感じる。

写真左手には、昨日泊まったブルーハーバーが写っている。

しかしながら、今回港にやってきたのはそちらへと戻るためではなく。

ここから船に乗って、港の向かいに見える本日の宿・ホテル浦島へと移動するのである。

 

沖合に浮かぶ勝浦のシンボル・ホテル浦島

勝浦から陸続きの半島上に建つホテル浦島は、昭和31年の開業以降この地を代表する超大箱ホテルとして親しまれ続けてきた。

もともとは2階建ての小規模な木造旅館として始まったそうだが、増改築を重ねた結果、現在その部屋数は800に達するほどの規模へと拡充されている。

勝浦港から島へは専用の送迎船があり、基本的に宿泊者はこの船に乗ってホテルへアクセスすることになる。ただ毎日運航しているわけではなく、その運行の時間帯も朝および午後~19時台までと限られている点には注意したい。なおそれ以外の時間帯では、バスを使っての陸路での送迎となる。

 

こちらの送迎船での移動はホテル浦島の名物にもなっているので、時間を合わせてでも一度は体験しておきたいところである。

乗船希望者はこちらの観光桟橋で送迎船を待つ。浦島専用の桟橋ではないので、他の観光船なども時々停泊している。

桟橋で暫く待っていると遠くからゆっくりと、一目でそれとわかる浦島の送迎船が近づいてくるのが見えた。

海亀をかたどったインパクトある外見の浦島丸の到着である。

長きにわたって働いているカメさんだが、2021年に塗り直しがされたようで外観・内観ともに真新しい雰囲気になっていた。

送迎船には宿泊客のみならず、日帰り温泉の利用客も無料で乗船可能。

この時は乗るのが自分だけで、ちょっと申し訳ない感じだった。

桟橋を出発してホテル浦島の正面玄関前の港までは、ほんの5分程度で到着する。

それにしても、洋上からでも窺い知れるその規模は実際に見ると驚きの一言である。

 

まず写真の船着き場の奥に見えるのが本館で、島の上に建っている大きな建物はその名の如く山上館。そして本館左手には通路で繋がっているなぎさ館と、逆側にあるので見えないが裏手の海側には日昇館も建っている。この4棟をフルに稼働した場合、その最大収容人数はなんと3000人にも達するのだとか。

 

船着き場から正面玄関を通ってすぐの所がロビーとなっており、ここにあるメインフロントでチェックインを行う。

 

ただ宿泊棟によってはルームキーの受け取りが別の場所にて行われるようで、今回自分たちが泊まった日昇館の場合は、本館から連絡通路を渡った先にあるセンターフロントでの受け取りだった。

 

ホテル内にフロントが2つあることからも推察される通り、その敷地はまさに広大そのものである。なかなか文章だけでは理解しづらい規模なので、ここで浦島HPの館内マップを添えつつ概略を以下に示しておこう。

 

・まず船着き場に隣接している本館。ここにはメインフロントやコンビニのほか、滝の湯とハマユウの湯がある。忘帰洞は本館から通路で繋がっている。

 

・本館から長いエスカレーターで繋がっているのが山上館。客室のグレードが一番高い。山上館宿泊者専用の、遙峰(ようほう)の湯がある。

 

・本館から北へ伸びる連絡通路を進んで突き当たる箇所が先述のセンターフロントである。そこから道が二股に分かれて、それぞれ日昇館となぎさ館へと続く。また日昇館のそばには玄武洞と磯の湯がある。

 

こちらが本館からセンターフロントへ至る連絡通路。両脇にはお土産屋も並んでいる。

とても長いのだが、歩き疲れた人のために自販機コーナーや休憩スペースもあるのでご安心を(笑)

センターフロントの様子

ホテル浦島・館内湯めぐりへ

部屋に荷物を置いてから、さっそく湯巡りへ。

上図の通り浴場が敷地内に点在しているので、温泉をハシゴすると必然的に館内のあちこちを動き回ることになる。

各浴場ではホテル浦島が所有する自家源泉が混合され掛け流しされており、その泉質は基本的に含硫黄ーナトリウム・カルシウムー塩化物泉

 

☆忘帰洞

荒波による浸食で形成された広大な洞窟をそのまま浴場として使っている、ホテル浦島を代表する一湯。その名は大正時代、時の紀州藩主より送られた『帰るを忘れさせるほど』という賛辞に因んで付けられたもの。

日が落ちてしまう前に海の景色を望みたかったので、いきなりではあるがこちらからのスタートとなった。日昇館からだと連絡通路を通って本館へ戻り、そこからさらに通路を歩いていくのでまあまあ遠い。

洞窟の真ん中に仕切りの壁があり、午前・午後でそれぞれが男湯・女湯となる。

なお浴室内は撮影禁止につき、風呂の写真はすべてホテル浦島HPからの引用である。

 

 

ひとたび浴場に入ると、洞窟のスケールが想像以上で思わず言葉を失ってしまった。

こんなお風呂は初めてである。

床以外の壁や天井は天然の岩肌がむき出しになっており、海側の開口部からの光によってそれらが照らし出されている。

 

洞内にはかぐわしい硫黄の香りが漂っているが、天井が高く外気も入ってくるので空気がこもっている感じはしない。また点在する大小様々の湯舟はいずれもマイルドな硫黄泉で、温度も適温~ぬるめ位なので入りやすかった。訪問時は写真よりも少し白濁が強めだったと思う。

しばらく入っていると風に当たりたくなってきたので、外に近い海側の湯舟へと移動。

こちらは本当にすぐ近くが海になっているので、眼下には熊野灘の荒波が打ち付ける迫力満点の景色を望むことができる。

付近の壁や床をフナムシが普通に這い回っているのはご愛敬だが、ようはそれだけ海に近い温泉だということだ。

 

外で風を浴びている内に体も冷えてきたので、内側の湯舟で温まってから次の湯へ移動した。

 

玄武洞

本館から再び日昇館へと戻りもう一つの洞窟風呂である玄武洞へ。

忘帰洞の後は本館のハマユウの湯に行った方が二度手間にならず効率も良いのだが、やはり景色優先でこちらを先にした。

入口に差し掛かると既に洞窟の雰囲気である。こちらは忘帰洞と違い入替制ではない。

サイズ感としては忘帰洞の洞窟をふたまわりほど小さくしたような感じ。

こちらは忘帰洞よりもさらに海に近いロケーションが特徴で、海側の浴槽に浸かっていると、すぐ目の前に波しぶきさえ感じられるほどだ。

潮風の下、蒼い海原を眺めまどろむ時間はまさに至福のひとときである。

忘帰洞と同様にぬるめだったこともあって、ついつい長湯になった。

泉質は忘帰洞とほとんど同じかと思うが鮮度はこちらの方が良さそうな感じがした。

メインの浴槽内には源泉が直接湧出するパイプが設置されており、ボコボコという音と共に一定間隔でお湯が吹き出してくるのを見ることができる。その周囲では湧出した硫黄の析出物がこんもりと堆積しており、お湯の濃厚さを物語っているようであった。

 

なお宿泊した日昇館の部屋からは、玄武洞男湯の海ぎわの部分は丸見えな感じだったので念のため(別に見ないけど)。

 

磯の湯

続いて玄武洞のそばにある磯の湯へ。

仕切られた二つの浴槽にはそれぞれ別源泉が使われており、それぞれ透明の湯と、グリーンがかったにごり湯となっている。どちらのお湯からも硫黄臭ははっきりと感じられた。自分は左側の、ヒノキの湯舟の方が落ち着く感じがして気に入った。

 

HPの紹介によると磯の湯は浦島の温泉の中でもとりわけ効能が豊富らしく、湯治客からは最も人気の高い浴場なのだそうだ。たしかに洞窟風呂よりもずっと空いているし、泉質も抜群なのでお湯目当てでじっくりと浸かるには最適かもしれない。

 

日昇館の宿泊者にとっては(玄武洞もそうであるが)近くにあって利用しやすいのも◎。

 

 

続いて本館にある滝の湯とハマユウの湯だが、これらは午前午後でそれぞれが男性専用・女性専用の浴室となる。

つまりすべての湯に入りたい場合は、この2つだけは訪れる時間帯を事前に検討しておく必要がある。特に日帰り入浴の場合だと、受付開始の9:00から正午までの間に、いずれか片方の湯に必ず入っておく必要がある。

 

実は自分もこの部分の確認がおろそかになっていて、結局ハマユウの湯には入れなかった(悲)

 

滝の湯 ※午前男湯午後女湯

こちらは午前が男湯となるため、翌日の朝に入ることとなった。

上記の浴場に比べると正直インパクトには欠ける気がするが、ちょっとした露天風呂なども備えてあってなかなか悪くはない。その名の通り、源泉が正面の岩を伝って滝の流れのように湯舟へ投入されている。

 

今回行った中では最も混雑しておらず、入浴中はずっと独泉だったので穴場と言えるかも。

 

ハマユウの湯 ※午前女湯午後男湯

ハマユウの湯は午後が男湯なので到着日にしか入るタイミングは無かったのだが、よく確認をしておらず今回は機会を逸してしまった。

公式HPの紹介によると浴室は内湯のみで、大きめの湯舟が一つというシンプルな構成だ。

泉質や浴感は他の浴場のそれと大きくは変わらなそうな感じだが、未湯のため実際にはよくわからず。



なお上記の温泉はすべて源泉掛け流しとなっているが、いずれも消毒のため塩素が使用されている。しかし湯量豊富な硫黄泉であることも手伝ってか、自分は塩素臭はまったく気にならなかった。

 

 

***

 

 

湯巡り後は休憩がてら館内散策へ。

本館のコンビニでの買い出しついでに、山上館へと伸びる超長距離エスカレーターのスペースウォーカーに乗ってみた。

通路に展示されていたスペースウォーカーの全体像を示したジオラマ

こちらはホテル浦島のちょっとした名物にもなっていて、その全長は154mにも達する。

案内板に従って歩いているとすぐに乗り場に到着。

下から見上げると、その傾斜も相まってなかなかの迫力というか果てしなさがある。

実際に乗ってみた感想だが、途中で乗り換えがあるとはいえやはりトータル5分以上も乗り続けるのはとても長く感じた。

日常生活でそこまで長く乗る機会が無いせいか、正直食事や湯巡りの度にこの往復をするのはちょっと煩わしいと感じたのが正直な所。

まあ子供は乗るだけで喜びそうな気もするし、アトラクションの一つとして割り切れば大したこともないのだが。

ちなみに山上館の宿泊者専用風呂である遙峰の湯はこんな感じ。

本館や日昇館よりも高い位置にあるので、勝浦の町や港の風景を一望することができる。

 

昭和感あふれるレトロゲームコーナー

続いてはセンターフロントからなぎさ館へ向かう通路沿いにあるゲームコーナーの紹介を。

昔ながらの大箱ホテルには懐かしのゲームコーナーがつきものだが、当然ホテル浦島もその例外ではない。

通路の両側にはちょっと懐かしめのクレーンゲームから昭和レトロの香りがする筐体まで、さまざまな種類のゲームがひしめいている。

この辺りは比較的新しめのメダルゲーム

少し進むと、昔の屋上遊園地にあったような懐かしいゲーム機が次々と見つかって大興奮。

定番のスマートボールも。弾いた球を穴に入れて、ビンゴを揃えると景品がもらえる。

持ち球が6発しかないので揃えるのは意外と難しい。

子ども用の可愛らしいイラストが描かれたキッズ・ボウル

球が穴に入ると上部にある同じ番号のピンが倒れていく仕組みで、全部倒すと景品がもらえる。なお8ピンを倒したらもう一回プレイが可能。

ボタンを押してメダルを皿の上に乗せるのっけてケロ

シンプルだが力加減が難しく、なかなかシビアなゲームである。

球をレバーではじき、レール上へと射出するサーカスボール

打った球がランプの数字と同じ数だけレール上で回転すればメダルがもらえる。

絶妙な難易度で、慣れてくると結構ハマる。

通路の奥側のスペースには、子供が乗って遊べるタイプの遊具も置いてあった。

こんなこいるかな号と襖の背景の組み合わせが妙にシュールである。

クレしんの絵柄もどことなく昔っぽいような。

こちらはドラえもんメダルゲーム

メダルを入れるとドラえもんが動き出し、予想した場所(キャラ)のマスに止まればメダルが払い出される。ゲーム自体はなんということもないが、なんと懐かしの大山のぶ代ボイス入りで、BGMも当時の主題歌だったこともありちょっと感動した。

 

何の気になしに立ち寄った場所だったが、いやはや想像以上のレトロゲームだらけで大満足。

この手の筐体は大抵壊れたら修理が難しく引退しがちなので、ひとつでも多く見ておきたいところである。

 

銘店・海つばめの絶品料理に舌鼓を打つ

温泉とゲームコーナーを回ってお腹も空いてきたので、いよいよお楽しみの夕食の時間である。今回は素泊まりプランだったので、館内にある食事処の海つばめさんを利用。

今回は20時過ぎの遅い時間だったので入れたが、人気店なので予約して行くのが良さそうだ。空いていた座敷席に案内してもらい、とりあえず地ビールを注文。お品書きがどれも美味しそうなものばかりで迷ってしまった。

突き出しはお重で提供される。

しらす和えや梅水晶など、酒のアテとしてぴったりの品がいっぱいで嬉しい。

生マグロの盛り合わせ。すごい厚切りである。

生ならではのもっちりとした口当たりで、とろけるような濃厚な旨味がすばらしい。

本来は二種盛りなのだが、サービスで三種盛りで出してくれた。

そしてこちらの器の刺し盛はなんと大将からのサービス!

マアジや鯛など、地元で獲れたお魚の四種盛り。いずれもサービスとは思えないクオリティの品で、そのホスピタリティの高さには恐縮してしまう。

和歌山県龍神産のシイタケの天ぷら。シンプルに塩のみでいただく。

カットされたシイタケは肉厚で、噛むとジュワっと汁が溢れ出て衝撃的な美味しさだった。

日本酒は利き酒のおすすめ三種セットを注文。

お酒の種類やおすすめの飲み方について詳しく教えてくれるので助かる。

この中では黒牛が一番好きだったが、どれも料理によく合っていて美味だった。

マグロのカマ焼き。よく脂がのっていて、さっぱりとしたポン酢との組み合わせが抜群。

甘辛い煮汁の味ががたまらない、和歌山産の鯛のあら炊き。

ホクホクとした柔らかい身の食感が心地よく、どんどんと箸が進む。

熊野牛のイチボステーキ。もも肉らしい適度な歯ごたえがあり、一口大にカットされているので食べやすい。タレも悪くないが、個人的には塩で食べたほうが美味しかった。

 

 

とまあこういった具合で、ほんとうに何を頼んでも美味しいお店なのである。

このお店目当てにホテル浦島へ訪れるリピーターが多いというのも、実に頷ける話だ。

 

特にその丁寧な接客や料理のクオリティはホテルの食事処というのが俄かに信じられないほどで、これまで訪れた飲食店の中でも一、二を争うほどの満足感であった。

 

ホテル浦島の宿泊者以外も利用できるので、近くへ行った際にはマストで訪れたい銘店。

 

 

食後は部屋で少し休憩し、寝る前にもう一度玄武洞と磯の湯へ入った。

日が落ちて外は真っ暗なので景色は望めないが、荒波の残響がこだまする中、しっぽりと温泉に浸かるもなかなか乙なものである。

 

美味しい料理と極上の湯で身も心もすっかり満足したので、部屋で少しだけ飲み直してからこの日は就寝した。

 

 

***

 

 

翌朝の天気はくもり。

水平線近くに雲が立ちこめて、空との境目が分かりにくくなっている。

縁側スペースから望む熊野灘

出発前にもう一度お風呂へ入りたいと思い、チェックアウトを一時間延長して最後の湯巡りをした。最初は昨日入れなかった滝の湯から。こちらではずっと独泉で、とてもゆっくりと入ることができた。

その後は忘帰洞へ。昨日と違い、男湯が左側になっている。

実際に入り比べて分かったのだが、昨日の右側の浴場よりも若干広く、しかも外の景色もこちらからの方が良い。HPにある↓の画像も、この左側の浴室からの眺めである。

まあ今回は曇っていたので残念ながらこのような景色は望めなかったのだが。

東向きの浴室なので、天気が良ければ日の出の景色も楽しめるそうである。

 

 

続いて最後に玄武洞へ。こちらは入替が無いので昨日と同じ右側の浴場。

相変わらずお湯は素晴らしく、海べりからの荒々しい景色も最高だった。

 

チェックアウトを延長したおかげで独泉とはいわずとも、どちらも昨日よりずっと空いた状態で入浴ができ満足。

 

なお帰りは送迎船の運航がない時間帯だったので、チェックアウトしてバスで勝浦港まで送ってもらった。

 

ホテル浦島 感想まとめ

昭和の大箱ホテルといえば大抵は食事や温泉の質がイマイチなイメージだが、ホテル浦島ではそれが良い意味で裏切られた。

 

設備自体は所々老朽化が見られ古さが目に付くこともあるのだが、それも昭和の”味”として捉えてしまえば、温泉・食事・レトロの三拍子が揃ったこの上なく素晴らしい宿泊先となる。

 

紹介してきた通り非常に広大な館内なので、宿泊するなら色々な場所に行きやすい本館か、少し高くなるが海が見えて大浴場も近い日昇館がおすすめである。

 

素泊まりの値段がもう少し安ければありがたいのだが、自分の中ではここに泊まるためだけに和歌山に再訪したくなるような、そんな素敵な宿であったということを最後に申し添えておきたい。

 

 

***

 

 

港から駅までは歩いて帰った。何度も通ったこのアーケードともいよいよお別れ。

帰りも行きと同じルートで、和歌山を越えて名古屋に戻る。

さすがに鈍行で行く気力は無かったので、今回もおなじみの特急南紀を利用。

長旅だったからか、いよいよ終わりを迎えるとなると少し感慨深い。

 

勝浦の本屋さんで買った文庫本を読みつつ旅中でのあれこれに思いを馳せているうち、ゆっくりと列車は動き出していった。

 

 

***

 

 

さて、これにて長きにわたった伊勢・南紀旅行記も終了である。

今回は普段より観光を多く詰め込んだので、自分にしては長めの5日間の国内旅となった。

 

広範囲の移動を伴ったので交通費は結構かさんでしまったが、熊野三山の参拝や古道歩きなど、ここでしかできない体験を多くやることができたので満足している。

 

特に最後に泊まったホテル浦島の洞窟風呂と海つばめの食事は今でも心に残っているし、今回スケジュールの関係で行けなかった温泉などもあるので、なんとか予算と暇に都合をつけて再訪をできたらいいものである。

 

 

それでは。