玄の散歩帖

温泉、レトロ、写真など好きなものごった煮ブログ

紀伊勝浦の国道沿いにあるアワアワ極上湯・さごんの湯                     ~深緑の伊勢・熊野三山と温泉巡りの旅⑤~

 

前回から引き続き、伊勢・南紀旅行の記事です。

ranporetro.hatenablog.com

 

翌朝はチェックアウト前に、ホテルから南部にある湯川方面へ徒歩で向かった。

ただしその目的は観光でも、散歩でもない。温泉に行くためだ

 

 

実はホテルから3km弱離れた湯川地区の道路沿いには、ホテルブルーハーバーの会長が所有する温泉が建っているのである。

 

このさごんの湯は地元の方が利用しているほか、会長のご厚意によりホテルの宿泊者であれば無料で利用をすることが可能となっている。今回自分がブルーハーバーを宿泊先に選んだのもこちらの温泉の入浴権を得るためであった。

 

ただこの温泉の存在はホテル側も積極的には宣伝していないのか、楽天じゃらんのレビュー上では殆ど言及されてる様子がない。実際自分のチェックイン時にも先方からこの温泉の案内は特にされなかったので、申し出た人だけ借りられる感じなのかも?

 

尚自分はあらかじめ徒歩で向かう旨等を前日にフロントの方に相談して、その際に予約時間の取り決めをした。いつでも使えるとは限らないので、直前での利用申し出は避けた方が無難だろう。

道路沿いをしばらく進んでトンネルにさしかかったろころで、左側の道へ。

そのまま進んでいったところにあるトンネル。

こちらは歩行者・自転車専用の通路となっているが、なんとなく千と千尋の神隠しに出てきそうな雰囲気だ。

トンネルは意外と長さがあり、2、300mは歩いたように感じた。

日中だったからいいが、夜だとちょっと不気味だったかも(笑)

トンネルを抜けて少し歩くと、地方でたまに見る昭和感溢れるラブホを発見。

遠目に見えたときは失礼ながら廃墟かと思ったのだが、調べてみたら現役であった。

そこからさらに5、600m進むと、ようやく左手にさごんの湯の看板とトタンの湯小屋が見えてきた。川沿いというか、ほとんど川の上というすごいロケーションだ(笑)

入口にはダイヤル式の鍵がかかっており、フロントで聞いた番号で解錠をする。

いよいよ湯小屋の中へ。

ひなびたジモ泉の雰囲気たっぷりで、なんともまあ素敵な雰囲気である。

板で仕切られた、脱衣スペースと浴室の様子。

正方形の浴槽はシンプルな木造りで、ゆっくりと入るなら二人くらいまでのサイズ感。

辺りに漂うかぐわしいタマゴ臭を存分に堪能しつつ、さっそく湯浴みを開始。

脇にあるパイプからはゴーゴーと凄い勢いで源泉が投入されている。

温度は40度くらいとややぬるめで、浴感はトロトロ系なので長湯向き。

そして何より驚くべきは、炭酸泉ではないにも関わらずかなりの泡付きがあること。

気が付いた時には、体中が小さな気泡だらけになっていた。

それにしても、凄まじい源泉の投入量である。

良い意味で浴槽のサイズに全く見合ってないので、外に面した切り欠けからは常時大量のお湯が滝のように流れ落ちている。

この水準の鮮度、温度、湯量、浴感、そして泡付きを併せ持つ湯というのは国内でも非常に稀で、こちらを目当てにわざわざ訪れる温泉愛好家が多いという話にも合点がいった。

 

なかなか簡単に来れる場所ではないが、一生に一度は訪れておきたい名湯である。

さて、朝風呂でさっぱりとしたところで、そろそろホテルへと戻り始めねばならない。

 

例の不思議なトンネルに差し掛かった時はなんとなく後ろ髪が引かれる思いがしたが、早歩きをして振り返らず、そのままトンネルを越えてホテルへの帰路についたのであった。

 

 

それでは。